2009モデル試乗 - スキー板の性能を決めるもの
前の記事では、各スキーの板についてのインプレッションを書きました。
ただ、世の中には量産メーカー、インディーズメーカーからまだまだ沢山のフリーライド系の板がリリースされていて、全てのモデルに乗るのは不可能に近い。
そこで、今回試乗した板の特性や、今まで自分が乗ってきた板を総合して、現時点でどんな板が調子良さそうなのか考えてみます。
まず、スキー板の基本的な要素である、長さ、幅、フレックス、サイドカーブがそれぞれどのように性能に影響するのか?
トーションも要素としてはあるのですが、かなり複雑になるのでここでは考えません(うーむ、それでいいのか?)。
長さ | |
長い: | 短い: |
前後の安定性 | ターンのしやすさ |
高速 | エッジのグリップ |
直進性 | 回転性 |
浮力 | 軽い |
幅 | |
広い: | 狭い: |
ずらしやすさ | エッジに乗りやすい |
浮力 | ターンの切り替えしやすい |
フレックス | |
硬い: | やわらかい: |
高速安定性 | エッジコントロールがファジー |
高い伝達性 | カービングしやすい |
ターンでの加速
ずらし性能 |
凹凸の吸収
エッジグリップしやすい |
サイドカーブ | |
ゆるい: | きつい: |
大回り | 小回り |
ずらしやすい | ターンの切り替えしが楽 |
直進性 |

表をクリックで少し大きくなります。
注)これ、信用してはいけません
注)かなーりアバウトにカテゴリ分けしています
注)一番右の欄には、自分が今まで乗ったことがあるか、手に取ったことのある板がその特徴の例として書いてあります。旧モデルとかもあるので、「?」と思っても気にしないでください。
まず、幅が狭いのは、オンピステとモーグルの板ですね。
ゲレンデスキー用で一番多いのが、「短くて、サイドカーブがあって、やわらかい」板なんじゃないかと思います。
逆に、「長くて、サイドカーブがない」板は、最近では一部DH競技用を除いて見かけることはなくなりました。
次に、フリーライド系が多い幅の広いほう。
ビッグマウンテン用途であれば基本的に長めの板になると思いますが、最近はそうとも言えないような気がします。長さはフレックスで補えたりすると思うし。
で、ビッグマウンテンファットスキーもこうやって見ていくと、それなりに個々の方向性があることが分かります。誰がどこで使っても最高なスキーってのはやっぱりないので、上で書いた4つの基本要素をベースに、トーションや、構造などを決めていくことになると思いますが、ここに最近良く見るようになった下記の要素も加わります。
・キャンバーの形状 (順、逆、フラット、複合など)
・ノーズ形状 (通常、ロングノーズ、ノーズ最大幅の位置、船底型など)
・テール形状 (スクエア、ツインチップ、スワロー、ピンなど)
・アウトライン (テーパー、リバースサイドカットなど)
・ウェイト (重い、軽い、スイングウェイトのバランス)
キャンバーとノーズの形状については、新井さん@Laboratorismのほうで詳しく書いてありますので、併せて見てみてください。目からウロコです。
んでんで、さらにさらに最後の要素として下の2つが加わります。
・ビンディングマウント位置 (センター、セットバック、セットフロント)
・ビンディングスタンス (パラレル、ダック)
そういえば、ダックスタンスって一時期気になっていたけど、思ったより普及しなかったね。
一度試してみたいけど、びみょーに角度つけるのって、一度穴開けるとビスが干渉しちゃって、元に戻せなくなりそう。
さて、話を戻して・・・・
んおぉー。あまりにも要素が多すぎて、一体これらの要素を組み合わせたときにどんなんが出てくるのかワケワカランですが、スキーの4つ基本要素で出来上がった基本性能に加えて、上に挙げた追加要素を盛り込むことで、スキーを特徴付けることも、弱点を補うこともできるんじゃないかと。
他にも色んな要素はあるのでしょうが、とりあえず、これらの要素を一つ一つ滑りにどう影響するか想像すれば、理想的な板が思い描けると思うわけです。(実際、自由に組み合わせることはほとんどなくて、この要素にはこの要素と言う感じで組み合わせはあらかた決まっていると思うけど)
まあ、ゼロからスキーを開発するわけじゃないし、とりあえず市販品を買う予定なので、スキーの4つの基本要素+そのほかの要素でどんな板になるのかがあらかた予想できれば、理想に近い板をゲットするのは、そんなに難しいことではなさそうです。
これらの要素を自由に組み合わせて自分好みの板を作ったり、実験的な板を作ったりしてみるのは、興味アリアリな訳ですけどね!金さえあればね。
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コメント
最近仕入れた情報だと、レースの世界ではビンディングのリバースダックスタンスが出たらしい。つまり強制逆ハの字で、切り替え直後の入りをよくするらしい。うーん。
個人的にはビンディングを板の内側に付けるセットイン?はファットの弱点のエッジングの弱さを克服できるのじゃないかと。
後、面白いのが今度のフィッシャーのレース板。ノーズのシャベル部分にでかい穴開けてて、さらにテールはちょっとだけスワローテールに。まあ接地点より前なので、スウィングウェイトを軽くする目的だけみたいだけど、これはファットでも有効っちゃー有効だよね。完全に穴あきだと雪が抜けちゃうから、ネットでも張るだすよw。
投稿: Laboratorism | 2008年3月20日 (木) 01時32分
リバースダックスタンス!!
うーむ、すごいですね。確かに、インエッジからインエッジへの切り替えは早くなるのかも。常にシザーズ(?、板が逆はの字)気味でスケーティングとかそういうのが楽になるんでしょうかねぇ・・・・妄想
セットイン。ですね。昔CMHのレンタルファットスキーなんかでそういうのがあったとか(聞いた気がする)。。フレックスとか影響受けちゃいそうですがインエッジの調子はよさそう。
フィッシャーの板!!画像、みました。
実は、スキー歴長い、新井さんや年配の方は覚えているかも知れないですが、昔、DHの板のトップに穴、開いてましたよね。なつかしい。小学校のころ部屋に貼っていたポスターの選手の板はぽっかり穴開いてたので印象に残っています。空気抵抗を減らすためなのかなぁ。。ファットの場合は薄い膜的なものでも良いかもですね。そういや、スノーボードですが、スワローの切れ込みに樹脂を張ったような板がありますね。
これ。
http://www.voelkl-snowboards.com/#11/EN/98/220
あれ、Katanaもかな?
http://www.altrec.com/shop/detail/31824/?cjgate=1&cm_mmc_o=23CjCnnx9nInCjCvinIN9IvCjCW-
投稿: あかひ | 2008年3月20日 (木) 14時15分
切り替え直後の内足アウトエッジの捉えだろうね<リバースダックスタンス
トーション強くないとよれるかw<セットイン
アトミックのEXカービング板もキャップのノーズに穴開けてたなあ。翌年は薄いプラスチックで埋めてたけどw。
スワローをモロに埋めてるのはサロモンのロッカーラボでしょう。激高・激重だけれども。
http://re-ski.jp/gear/brand/salomon_08/salomon_xwing_rocker_lab.php
投稿: Laboratorism | 2008年3月20日 (木) 14時46分